自律神経を意識的に調節できるのは呼吸だけ
自律神経は、心臓の拍動や発汗をコントロールしたりと体の働きを調整する役割を担っています。交感神経と副交感神経があり、それぞれの働きにより体が緊張状態になったり、リラックスしたりする作用があります。
そんな自律神経ですが、無意識下でコントロールされているため自分で意識的に汗をかいたり血圧を調整したりすることはできません。 ただし、呼吸だけは、自分の意志で回数や深さを調整することができるようになっています。
息を吸うときは交感神経が働き、吐くときには副交感神経が働きます。意識的に呼吸を行うことで、体をリラックスさせる副交感神経の働きを促すことができます。
腹式呼吸が心の安定を助ける
呼吸には腹式呼吸と胸式呼吸があります。胸式呼吸は、胸郭を広げたり狭めたりする呼吸で、腹式呼吸は、お腹を膨らませたりへこませたりする呼吸法です。
腹式呼吸により、副交感神経が優位に働きストレスを軽減させる効果があると言われています。(文献1)
参考文献 1.坂木佳壽美:腹式呼吸が自律神経機能に与える影響:臥位安静時の自律神経機能との関連.体力科学50(1)105-118,2001.02.01 日本体力医学会
腹式呼吸のやり方
腹式呼吸は横隔膜を使った呼吸法です。横隔膜を押し下げることによって、お腹が膨らみます。
胸郭(肋骨)を動かさず、お腹を膨らませるように息を吸って見てください。
初めは胸郭に手を当てて動いていないか確認し、お腹を膨らますように意識すると分かりやすいと思います。
それにしても、へたくそな絵ですねぇー。
呼吸は息をゆっくり長く吐くのがポイント!
副交感神経には体をリラックスさせる働きがあります。その副交感神経は、息を吐くときに働きますので、息を吐く時間を長くしたほうが効果的です。無理なくできる範囲で、ゆっくりと吐く息を長くしながら行ってみてください。
私の場合は、4~5回の呼吸を繰り返すと、肩の位置が下がり緊張状態にあった肩まわりの筋肉が緩む感じがしてきます。※あくまでも個人の感想です。
おまけ。呼吸が変わると声が変わる
腹式呼吸法は、ボイストレーニングや吹奏楽など音楽の分野でも使われる呼吸法です。呼吸方法が変わると、声にも変化があります。
腹式呼吸で話をすると少し落ち着いた声の印象になり、普段周囲に与えているのとは少し違った自分を演出できるかもしれません。緊張しやすいあなたに、試してみてほしい!