一般的に用いられるプロフェッショナル
広辞苑では、それを職業として行う様子。専門的、職業的。専門家、プロ、とあります。
日常では、特に仕事の精度が高い人などに賞賛の意味を込めて使われる言葉。
プロフェッショナルの語源
「profess」は、もともと、宗教に入信するときの宣誓を表します。
そこから、厳かな誓いを伴う職業をプロフェッショナルと呼ぶようになりました。
引用文献:働き方の哲学 著者 村山 昇
プロフェッショナルというと、ハイレベルな仕事ができる人という印象がありますが、もともとは誓いを立てるという意味合いがあったようですね。
誓いを立て、徳の道を行くというのがプロフェッショナル。
一方で、職業的な専門家という意味では「エキスパート」という言葉が当てはまるそうです。
プロフェッショナルには倫理観が伴う
本来の意味でのプロフェッショナルには、利他的精神を持ち、社会奉仕のために自らの能力を役立てるという意識が求められるようです。
つまり、自分自身が精神性を高く保つ意識を持つこと。
仕事を通して、私欲のない社会奉仕をしていくという意識が必要とされる。
稼ぐことや、成功することとは、必ずしも一致しない。
仕事に対する心の持ち方でプロフェッショナルかどうかは決まる。
単に技術が優れているというのがプロフェッショナルではない、ということのようですね。
厳密な意味では「プロフェッショナル」は徳を行じる職業人である。
単に高度な専門家なら「エキスパート」という呼称がある。
引用文献: 著者 村山 昇 働き方の哲学 P63
仕事の在り方、そのものが本来プロフェッショナル
仕事は、食べていくために稼ぐというのも1つの目的ですが、社会のために役立つことや、人を喜ばせることをするということが根底にあります。
貨幣がなく、物物交換の時代には、相手に役立つ物や労力と、価値ある物を交換することが当たり前でした。
そうした中では、プロフェッショナルとして誓いを立てるまでもなく、相手の役に立たなければ生活自体が成り立たなかったことでしょう。
お金という物を通して、お金自体が仕事の目的となったりして、人を喜ばせることや社会の役に立つ事をするという、本来の仕事の在り方がいつの間にか見えにくくなったのかもしれません。
本来の仕事の在り方には、誓いを必要とするまでもなく、仕事そのものにプロフェッショナルなもの(人に喜ばれることや社会貢献への誓い)を内包していた。
とすれば、やはり広辞苑にあるように、「それを職業として行う」というプロフェッショナルという言葉の意味は適しているようですね。
参考文献:著者 村山 昇 働き方の哲学
イラストが多く、文章も分かりやすい表現で書かれていて読みやすかったです。仕事というものを改めて見つめ直したい時や自分のキャリアを考える時にオススメの1冊です。