勝つことが全ての勝負の世界。
サッカーワールドカップを遠巻きに見ると、
勝ち負けへのこだわりが浮き彫りになる。
昔は、夢中で見ていたこともあるワールドカップに、
最近は、あまりのめり込めなくなった。
勝てば喜び、選手はヒーローに仕立てられる。
負ければ、がっかりした暗めの雰囲気が漂う。
勝負をすれば、必ず敗者はいて、
トーナメント戦では、
勝者1チーム以外はすべて敗けの経験をしている。
そして、くじけずに次は絶対に勝ちますと
高い目標を掲げる。
この繰り返し。
どこまで行っても勝ち続けることを目指す。
これが勝負ごとの世界。
いつまでやっても勝ちを目指すことに変わりがない。
勝つことが全て、、、?
ここが、なにかずれている。
勝ち以外にも価値はある。
そんなことは分かっている。
楽しければ良い。
結局は、エンターテイメント。
けどさ、たまには真面目に
勝つことって本当に大事なことなのか
考えてみてもいいんじゃない?
負けたら食われるから勝たなければ、という
動物的な本能に踊らされてるだけじゃない?
勝った方が、チームが高く評価される。
選手の名誉になる。
選手たちが受け取るのは、
全て、外側にいる人間から与えられた、
ただの評価じゃないか。
評価を得ているから、価値が高い?
それって、本当?
これがもてはやされることで、
大事な事が見えにくくなる。
認められたいから頑張るって、
子供の頃はそれでも良いけど、、
それしか見えなかったら、軸がずれていく。
結局は、承認欲求を満たすため。
自分を価値ある存在と思いたい気持ち。
誰にでもあるだろう。
これを満たせた勝者が、価値が高いの?
じゃあ、敗者の価値は?下がるの?
本当は、違うよね。
誰でもすでに持っている。
生まれながらの等しい命の価値と
かけがえのない、唯一無二の個性。
誰かに認められる必要なんて、本当はないし、
勝者だからと言って持ち上げる必要も、本当はない。
むしろ、負けの中にこそ、真の価値がある。
負けなければ、分からない事がたくさんあって、
その中で、人間としての根っこを伸ばしていく。
それが、おおきな糧となり、さらなる成長を促す。
敗者の方が、人間としての深みが出るし、
より大きく成長できる。
それこそが、負けたことの価値だと思う。
地味だけど、
目に見えない物の方が
目に見えるものよりも本当は大事。
死んだら、トロフィーはあの世に持っていけない。
結局、目に見えるものは、
何もかも置いていくから。
だから、負けの中にある価値にも目を向けてみたら、
トロフィーよりも、高貴な価値が
経験の中に詰まっている。
がっかりする必要なんてない。
勝負は、楽しめば良い。
日本代表の選手を見ていると、さすがに気持ちの切り替えが早い。
いつまでも、負けたことを引きずってない。
負けを受け入れることも、
今まで何度となく経験してきたのだろう。
見ていて、こざっぱりしていて、気持ちが良い。
そう、どっちに転んでも、あなたの価値は変わらない。
もらえるお金が変わるのか、知らないけど。
彼らは、それ以上の物を手に入れたはず。