ものづくりが得意な方の打ち明け話

ものづくりがとても上手な方に出会いました。

その方は、ほぼボランティアで、

体に障害のある方のための訓練道具や

体操に使える道具など、

様々な物を作られたそうで、

今まで作った物の写真を見させて頂きました。

ひとつひとつ、使う人の気持ちになって、

丁寧に作られていて、

輪投げの輪を作るにも、

ただ、水道用のホースを丸めて作るのではなくて、

透明のホースを選んで、

ホースの中に小さな造花を入れて、

見る人が楽しみながら使えるように工夫されていたり、

持ち運ぶのに便利なように、

分解できるようになっていたり。

その方は、病気をされるまで、

便利屋を営まれていて、

壊れた機械の修理や

頼まれた道具を作ったり、

家の修理や、増築まで一人で手掛けていたそうです。

値段は、普通の業者に依頼するよりも

安い価格で提供していて、

実際に頼んだ人が、

「あそこの便利屋さんで頼むといいよ。

安いけど、とても良い仕事をしてくれるよ。」

と口コミで、お客様が増えて行ったそうです。

今は、病気をされていて、

便利屋さんはしていないそうですが、

チラシを折りたたんでゴミ箱を何千個も作って、

高齢者施設や病院に寄付されているそうです。

片手しか使えないのに、、

片手しか使えない状態になると、

その状態を受け入れることができず、

今までできたことが出来なくなったと

落ち込みの気持ちが強くなったり、

何かをしようと言う気持ちが湧いてこない方も多いですが、

この方は、何故、こんなに頑張れるのだろうかと

不思議に思っていました。

「損得も考えずに、

人の為に活動できるというのは凄いことですね。」

と、声をかけると、

「うん。実はね、、

これはあまり人には話さないことなんだけれど、、」

と前置きをされ、

昔の出来事を教えて下さいました。

「実は、小学校に入る時に、母親を亡くして、

そして、中学に入る頃には、父親も亡くなったんです。

・・・それで、中学に入学する時に、

中学校の方々から、大変だろうから、、ということで、

沢山のご寄付を頂きました。

私は、このご恩を一生かけて、周りの人のために、

返していくと決めたんです。」

私は、この話を聞いて心が震えました。

だから、この方は、お金をもらわずに、

こんなに出会う人達のために

心を込めて、素敵な道具を作ることが

できるのか・・・。

感謝の気持ちが込められているからこそ、

口コミで広がり、

感謝の連鎖が起こっていったのだな、、と。

きっと、亡くなられたご両親も、

このような息子さんの生き方を見たら、

喜ばれるだろうなと思いました。

今日は、素敵なお話しを聞くことができて、

本当に嬉しかったです。

心の豊かさは、目には見えないけれど、

損得とか抜きにして、人の為に尽くしたい。

感謝の気持ちをお返ししたい、、

そういう気持ちを持っている方ばかりなら、

この世界は貧しくなんてなりようがないな、、

と思います。

きっと、こういう心豊かな方々の

縁の下の力持ちのような

見えないけれど、愛情深い力で、

この社会は支えられているのだなと感じました。

その方は、自分が儲けようとか思っていないのですよね。

まるで、木々に感じるような神々しさを感じました。

私達には、本当は、

生きるために必要なものが与えられている。

それは、土から出てくる草木の恵みに現れていて、

太陽や地球の無償の愛で、この大地に支えられている。

生きるために本当に必要なものは、

もう、すでに用意されている。

そして、人間は助け合って生きる生き物。

生きているという事は、

誰かの支えがあってのこと。

土の耕し方も、野菜の育て方も

知らなくても生きていけるのは、

それをしてくださっている人たちがいるから。

感謝の気持ちを形にすることは、

時に難しいこともあるけれど、

与えられているからこそ、

感謝の気持ちを持って、

自分に出来ることを精一杯する。

お蔭様ですの気持ちを忘れずに

日々を過ごしたいなと、改めて感じました。

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