すずめの戸締まりを観てきた

人気の映画、新海誠監督の最新作

すずめの戸締まりを観てきました。

とにかく内容が濃すぎて、、

頭の中がまだ、整理しきれていませんが、

せっかくなので、感想を書いてみたいと思います。

まだ、映画を観てない方は、

ネタバレも入ってしまいますので、

ご注意ください。

この物語は、主人公の鈴芽が、

日本の地底にいるミミズという魔物を

扉を閉めるという役割をしながら

静めていく物語なのですが

そのミミズは、忘れられた廃墟にある

後ろ戸が開かれた時に現れ、

大地震を引き起こそうとします。

それは、あたかも、

忘れ去られた記憶の彼方に存在する、

トラウマ的な記憶が蘇ったかのようです。

個人レベルのマイナスの感情が、

集合意識レベルで合わさり、

暴れまわる恐ろしいエネルギーとなって

大地震を引き起こす。

スピリチュアルの世界では、

負の想念が悪い事象を引き起こすと

言いますが、その典型という感じでしょうか。

過去の辛い記憶を、

心の扉の奥底に閉じ込めて、

忘れている。

けれど、心の奥底の世界は、

心理学者のユングの言うような

集合的無意識の世界でお互いに繋がっていて、

各自が握りしめている

負の感情が積もり積もると

大変な災いが起きてしまう。

この映画から、まず感じたメッセージは、

各個人が過去の封印した記憶と向き合う必要性がある

ということ。

物語では、一人の少女が、

過去の自分に希望の光をもたらしに行きますが、

それは、一人一人に向けてのメッセージで、

それぞれが、鈴芽のように自分の過去と向き合い、

この世界を変えていく主人公であるということ。

大地震などの大きな災害は、

一つの象徴であり、

この日本という国を支えていくために、

ミミズという魔物を大きくさせないことも大切だという

メッセージでもあったように思います。

この物語には、トリッキーな役割をする

猫の姿をした神様が出てきます。

敵か味方か分からないような、

時に災いをもたらすかのように

見える存在ですが、

ミミズを押さえる不思議な力と

役割を持っている。

この猫は、鈴芽を導き、

ミミズと対峙させ、

負のエネルギーをもたらす過去の記憶と

鈴芽を向き合わせます。

そして、未消化のまま残っている記憶を辿らせ、

絶望の淵にいた過去の自分に

希望をもたらすように

働きかけている。

その結果、鈴芽は、

絶望の中に光を与える役割を

果たすことになります。

これは、本当に時代を象徴している映画だなと、

思いました。

東日本大震災から11年。

過去の辛い記憶を、辛いままにせず、

恐ろしい向き合いたくない記憶を解放し、

現在の自分が、希望の光をもって魔物を静めていく。

そんな時期に来ているのかもしれません。

また、現在の日本は、

過去の記憶を振り返らないことで、

ミミズを成長させているかのように、

戦争に巻き込まれていった

過去の時代を彷彿とさせるような、

不気味な状況になりつつあります。

2022年7月の参議院選挙では、改憲勢力が勝利しました。

このまま行けば、自民党が作成した、

人権を完全に無視した緊急事態条項が

通ってしまうかもしれません。

また、防衛費を拡大したり、

イギリス、イタリア、日本で、

次期戦闘機の開発計画が進められていたりします。

自らが、主権者であり、主人公であり、

集合的無意識にも影響を及ぼす存在だと

気づくことで、

幸福を追求する責任があるということも、

自らの心の中を清める必要性があることも、

必然となっていきます。

ちょっと、ずれてきましたが、

鈴芽が果たした役割は、

絶望の中に希望を見出すことができるという

未来の自分からのメッセージを

伝えることだったように思います。

そして、それを導き、

負のエネルギーを静める

神様の存在も示していたのではないでしょうか。

同じ物語を観ても、

観る人によって、受ける印象は様々ですよね。

しかし、もう一人の主役である

草太を全く登場させない

感想になってしまいました。汗

せっかく観たので、

もう少し解釈を深めてみようかと思います。

あなたからは、すずめの戸締まり、

どんな風に見えるでしょうか。

お読み下さり、感謝です。

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする