職場の人間関係でストレスを感じる時に考えておきたいこと

ストレスの原因は上下関係や競争意識

前置きとして、人間の価値は平等なものです。

子供同士が遊ぶ時には、年上の子と年下の子が混じっても、ストレスなく無邪気に遊ぶことができ、自然と下の子ができない事を上の子がカバーしてあげるものです。そこにストレスはありません。

では、会社ではどうか。

本来平等であるはずの人間の価値が、高いものと低いもののように扱われることがあります。会社では、上司の意見が場を支配します。上司の好みで部下が理不尽な扱いを受けることもあります。

また、大人になると置かれる境遇がよく見えるようになります。そのため、同僚同士でも仕事の能力や業績を比較して嫉妬心や競争心が芽生えることがあります。単純に出世争いという事もあるでしょう。

ここからストレスが始まります。

職場は仕事をするための場

本来、仕事は「誰かの役に立つ」ためのものです。会社はそのための組織であり、職場はそのための場です。

目的を明確にしておくことで、本来自分がすべきことと、役割を再確認することができます。

競争より協力

時代の変化という背景

戦後から高度経済成長期にかけての日本では、優秀なサラリーマンを育成することが、国にとっての力となる時代でした。積極的に競争させることで、能力を伸ばすことを推し進める国策と社会的な風潮がありました。学校のテストに始まり、入学試験や就職試験、就職後には出世争い。勝ち組と負け組という言葉。競争に勝てば将来が安心。いい会社に入れば、大きな家に住み、年金と退職金で食べていける。そういう時代でした。その背景には、お金の流れが絡んでいました。

では、現在はどうなのか。大企業でも安心できる時代ではなくなっています。年金がもらえる年齢は段階的に引き上げられ、退職金もあてになりません。企業も国もやせ細っています。その要因の一つとして大きなものは、少子高齢化です。女性も積極的に社会に出ることが求められ、外国人の雇用政策が勧められています。もう、皆が競争なんてしている場合ではなくなっています。競争よりも協力して支え合うことが求められる時代です。男性的な社会から女性的な社会への変化と言えるかもしれません。

一方で個性が花開いていく時代でもあります。個人がそれぞれの強みを生かして仕事を進めていく時代です。副業を許可する企業が増えてきたり、趣味を活かして起業し収益につなげる個人が出たりしています。個人の力が問われる時代でもあります。

職場での協力

少し脱線しましたが、この流れは会社組織の中でも言えることで、組織内でも競争させるより協力し合ってもらう方が成果は上がりやすいです。競争になると、コミュニケーションがはかりにくくなりますし、その結果、ちょっとした情報が入ってこなかったりしますが、協力という意識の下では積極的に相手に知らせようとするため、フォローしやすくなったりします。また、お互いの知恵を借りやすくなります。無用な競争がなくなることで、ストレスも軽減します。

組織は、縦型で構成されており、上司は部下に仕事を割り当て管理します。上司の振る舞い方で、部下の居心地は大きく左右されることになります。競わせるより、協力するよう仕向ける。管理する立場の方には、このあたりも意識してもらいたいです。

プライドを克服しプロ意識を育てる

競争より協力した方がうまくいくという時代背景があります。これまでの競争という在り方を協力という在り方に変化させていく中で、個人レベルの話をすると、プライドの克服というのがキーになってくると思います。

競争は、個人の能力を高める動機付けにもなりますが、一方で 相手を負かそうという意識が働くことでもあります。

協力とは、辞書では「力を合わせること」となっています。個人的には、お互いの強みを活かし合い、弱みを補い合うという解釈をしています。

今まで競争していた相手と協力するとなると、強みも弱みもさらけ出すことになります。強みは出しやすくても、弱みは握られたくないと考える人もいるでしょう。できないことはできない、分からないことは分からないという勇気が試される場面も出てくると思います。

ですから、弱さをさらけ出すという形でプライドの克服が求められるのです。

では、なぜ弱みをさらけ出さなくてはならないのか。それは、得意な人の協力を得るためです。そして、それは仕事だからです。

「誰かの役に立つ」ためです。これを個人の意識よりも優先させることがプロ意識を育てるということだと思っています。

誰のための仕事なのか、軸をしっかりさせる

競争意識の状態でいると、時には大事なことを見失う事があるかもしれません。特にネガティブな感情に飲み込まれそうな時には。

そういう時にこそ、「誰のための仕事なのか」を思い出し、プロ意識で仕事にあたる。その時に、協力という在り方が成り立つと思います。協力の中では、お互いに対する理解が育まれ、自然と思いやりが出てきます。自己顕示のくだらなさに気づいて反省したり、謙虚さが身に付いたりと、人間的に成長させてもらえる事がたくさんあります。

これからの時代は魂の時代とも言われています。物質的な事柄よりも精神性に目を向けていく必要性があると思います。

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