呼吸だけは自律神経を意識的にコントロールできる
自律神経で調整されるもの
自律神経で調整されるものには、
血圧や体温、心拍数、
消化管の働き、発汗や排泄など、
様々なものがあります。
風邪を引いたときに体温が上がったり、
お腹が満たされると眠たくなったり、
運動すると呼吸数や心拍数があがるのは、
自律神経の働きによるものです。
自律神経は自動的に調整されている
自律神経は通常、無意識に調整されています。
体温を下げようと思ったり、
血圧を下げようと思っても、
意識的に行う事は出来ないですよね。
通常、自律神経は自動的に調整されています。
自律神経には、交感神経と副交感神経があり、
・交感神経は興奮した時
・副交感神経は休息する時
に優位に働くようになっています。
そして、体にとって、最適な状態に維持されるよう
自動運転されています。
例えば、寒い場所に行けば、鳥肌が立ったり、
皮膚に近い場所の血管が収縮し、
体温が逃げないように調整します。
逆に、暑い場所に行けば、汗をかいたり
皮膚に近い場所の血管を拡張させて
体温を逃がしやすくします。
呼吸のコントロール
通常、鳥肌を立てようと思っても難しいように、
自動的に調整されているのが
自律神経だとお伝えしました。
そんな自律神経を
意識的にコントロールできるものが
一つだけあります。
それが、呼吸です。
呼吸をするときにも自律神経が働きます。
・吸う時は交感神経
・吐くときは副交感神経
が働きます。
息は、吸おうと思えば吸えるし、
吐こうと思えば吐くことができますよね。
呼吸だけは、
普段は自動調整されている自律神経を
必要に応じて、
意識的にコントロールできるようになっています。
興奮や緊張を静めるためには、深い静かな呼吸が有効
緊張状態や興奮状態にある時
例えば、危険な状況にある時、
大きなクマが突然現れて、逃げなければならない時には
交感神経の働きによって、
筋肉が活動しやすくなるように心拍数が上がり、
浅く速い呼吸になって、消化管の活動が抑えられます。
ここまでではなくても、
仕事中や外出中のように何かの活動をしている時は、
自律神経のうちの交感神経が優位になっている時です。
また、大勢の前で何か話をしなければならない時や
発表会で披露しなければならない時にも
緊張したりするものです。
脳は、現実とイメージを区別しないため、
不安や緊張のイメージを作り出すと、
体も緊張状態になり、
呼吸が速くなり、心拍数が上がったりします。
緊張状態は、イメージつまり、
想像によって作り出されています。
クマに遭遇したら、実際に襲われる前から
追いかけられる想像をして、
逃げるための反応をしているのと
似たようなものです。
心を静かにするために、深い静かな呼吸が有効な理由
先程、自律神経を意識的に
コントロールできるのは、
呼吸だけ、というお話しをしました。
緊張状態を意識的に静めたい時には、
この働きを利用すると、
気持ちを落ち着けることが出来るようになります。
休息モードの副交感神経を働かせるには、
深く静かな呼吸をして、
吐く時間を意識的に長くとります。
そうすると、
副交感神経の働きにより、
心拍数が徐々に下がり、
筋肉の緊張が緩みやすくなります。
また、イメージすることも有効です。
「聴衆をカボチャだと思え」
と言うアドバイスもありますが、
的を得ているなと思います。
瞑想の前準備として深呼吸を実施する意味
瞑想をする前にも、
準備としてゆっくりと深呼吸をします。
活動モードになっている体を落ち着けるためだと考えると、
理にかなっています。
体の状態を落ち着けて、
心を静める準備をする。
心は、体と切り離せないので、
まずは、体の状態を整えることになります。
怒りがおさまらなくて、どうにかしたい時や
イライラした時に溜息をつくというのも、
理にかなっています。
「ふー--っ」と長く息を吐くことによって、
気持ちを静めようとする働きですね。
気持ちのコントロールに、
呼吸のコントロールは役に立ちますので、
思い出しましたら、何かに役立てて頂けたらと思います。
今日も、お読み下さり、ありがとうございました。