脳機能の視点から、言霊瞑想について考えてみる。

高次脳機能の階層性について

つまらなそうな、堅苦しい見出しで失礼します!!笑

そう、今日は、真面目な感じで

瞑想に切り込んでみたいと思います。

お勉強系の堅苦しい話は苦手!!と言う方には

向かない内容となっていますので、

ご注意くださいね。

今回は、瞑想を科学的な視点から捉えるために、

瞑想と関連の深い、脳の働きについて考えてみたいと思います。

それでは、早速始めますね!

まず、脳の機能は、

①生命維持機能、②運動機能、

③感覚機能、④高次脳機能

の4つからなっています。

それらは体と密接な関係にあり、

決して切り離すことはできないものです。

そして、高次脳機能には階層性がありまして、

基礎となる土台があって、

その上に積み重なるように、

上位の機能が存在しています。

高次脳機能の土台となっているものには、

覚醒度や意欲といったベースがあって、

その上に、

注意を向けたり、集中する機能があります。

専門用語では、注意機能と呼ばれています。

この注意機能は、大まかに言うと、

「意識をどこに、どのくらい向けるか」を定める機能です。

例えば、読書をする時には、

文章を次々に見つめ続ける必要があります。

こんな風に、注意を向け続けて集中する機能です。

そして、その上位にあるのが記憶力です。

記憶力は、注意を向けたことに対してでないと働きません。

それが、視覚情報であれば、人の顔だったり、

映像の記憶だったりします。

「見る」ことに集中したから覚えられた。

音楽やセリフでも、「聞く」と言う方向に

注意を向けた後に、記憶されます。

そして、さらに上位にあるのが

論理的思考力やまとめ力、

発想力や遂行機能と呼ばれる機能です。

記憶したものを整理したり、

統合したり分析することで、深められ、

理解や推理といった難解な事を考える機能です。

これらは、下位の機能である注意力や記憶力が

機能していなければ、働くことができません。

そして、最上位が自己同一性や

自己への気づきと言われています。

つまり、自己を客観視する能力です。

そして、脳の機能は、積みあげ式の階層構造でできているため、

基礎レベルから向上させていくことで、

すべての機能が底上げされていきます。

瞑想で培われる集中力

瞑想では、「今、ここ」に意識を集中させます。

このためには、先程お伝えした

高次脳機能で言うところの、

土台となる機能が使われます。

注意力、集中力を維持するための機能です。

瞑想は、言い換えれば、集中力を鍛える方法とも言えます。

ですので、高次脳機能の土台部分を底上げしていくことに

役立つのですね。

土台部分が底上げされていくことで、

記憶力の強化やその上位機能である

理解力や分析力、思考力、などの上位機能も

向上してくるというのは、論理的に正しいことです。

そして、最上位機能である、「気づき」や

「自己の客観視」というところに至る。

このように見ていくと、瞑想は、

科学的に見ても有用なものであることが分かります。

気づきの過程では、言葉が使われる。そして、言葉は認知に影響を及ぼす。

ところで、脳で高度な情報処理をする過程では、

言葉が使用されています。

ここで、エーデルマンという学者が提唱した

ニューロン群選択淘汰理論について

紹介されている文献があったので、

少し、ご紹介させて頂きます。

言語野の出現と共に、自己の価値カテゴリー記憶と外界からの知覚カテゴリーシステムとの間に意味論的能力、統語論的能力が介在して、新しい再入力が生じる。この再入力の過程が、高次の意識(higher order consciousness)の発現を促す。高次の意識の発生とともに、セルフの概念や、過去・未来の概念が生じる、と彼は言う。

高次の意識は、言語とともに出現してくるが、ここで言う「言語」というのは、筆者の考えでは、単なる「道具」としての言語ではない。ふつう、主体のようなものがあって、それが言語を語る、と思われがちであるが、実際には、「言語によって主体が語られる」という逆説構造になっている。

言語は主体とともに、逆説的に立ち現れるのである。このことは、高次の意識を深く理解するためには、必須のことではないかと考えられる。

「気づき」の障害 大東祥孝 高次脳機能研究 第33巻第3号 より

※ここで言う高次の意識は、いわゆるスピリチュアルで言われる高次元の意識とは別のものです。医学用語で言う、高次脳機能の階層で上位階層の意識と言う意味で用いられています。

文献の全文をお読みになりたい方はこちらをどうぞ。

この文章を見て、感じたことは、

「私が〇〇している。」というような、

自己理解や自己認識を司る意識は、

言語と共に認知されるものであるということ。

私たちは、脳内の処理過程において、

自分についての認知や世界の事柄を、

言語を通して認識していることが分かります。

という事は、使う言葉を変えたりすることで、

自分や世界に対する認識も

変化していくということですよね。

言葉は、認知をコントロールするという意味で、

強力な力を発揮するツールであることが、

理解できると思います。

瞑想することで頭が良くなるは事実

このように、科学的視点で瞑想について考えてみると、

瞑想をすることで、脳機能が活性化し、

記憶力が向上したり、

自己認識を変化させたりする可能性は、

事実上あり得ることだという事が分かります。

言霊瞑想は、脳の機能的側面からも、

自己認知や外界の出来事を認知する過程で生じてきた

様々な傷ついた体験や辛い記憶と向き合い、

変化させていくための方法論として

言語化や気づきを通して変化させることができる

方法だと捉えることができます。

決して、神秘的なパワーが降りてきて、

どうにかしてくれるというような、

他力本願なものではありません。

自己認識を変える過程では、

ここまで読んで頂いて分かる通り、

自分の意志が介在することが不可欠ですし、

繰り返しの継続が必要な事も、

脳細胞同士をつなげるシナプスは

繰り返さないと学習が強化されないという、

脳神経の構造と学習過程を考えると、

必然なのです。

瞑想の効果は、繰り返し継続することで

得られるものであり、

努力の過程を要するものであることも、

このような理由からです。

もちろん、私たちは自然の中の一部であり、

自然の力が体に影響を及ぼしていて、

実際に変化をもたらすことも事実ですが、

科学的に考えると、

こういう説明もすることができます。

今日は、ちょっと、

真面目な側面からのお話しをしてみました。

もしも、言霊瞑想に興味をもってくださった方は、

こちらへどうぞ!

最後までお付き合いいただきまして、ありがとうございました。

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